改正労働基準法について(6)2009.10.06

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平成22年4月1日から施行される労働基準法の一部改正法について、数回に渡りご紹介して参ります。
第6回目は「時間外労働の限度に関する基準」の改正についてです。

改正により、36協定の締結事項が変更されます。ただし、特別条項付きの協定を締結する場合に限られます。具体的には、1カ月45時間、1年360時間という「限度時間」を超えない事業場は、今回の改正は、対象になりません。
22年4月以降に締結、更新する36協定に適用されます。
また、60時間超過の割増率の引き上げの場合と異なり、企業規模は問われません。

特別条項付きの時間外労使協定を締結する場合、新たに定めるべき事項が追加されました。

  1. 時間外労働の限度基準を超える時間外労働に係る割増賃金率を定める
  2. 1の割増率は、2割5分を超える率とするように努める
  3. 限度時間を超える時間外労働はできるだけ短くするように努める

限度基準を超える時間外労働について「1カ月45時間、1年間360時間」と定めた場合には、1カ月の時間外労働が45時間を超えなくても、1年間の時間外労働を通算して360時間を超えたときは、その時点からの時間外労働については、定めた割増率での賃金の支払いが必要となります。

割増率の引き上げは、努力義務となっており、必ずしも2割5分を超える率を定める必要はありませんが、現在特別条項付きの36協定を締結している事業場は、来年度以降の更新を前に、現在の時間外労働の状況の把握、分析といった作業が必要と言えるでしょう。

時間外労働の限度基準や、労使協定の特別条項の規定例は下記のリーフレットに記載されています。

リーフレット「改正労働基準法のポイント」(PDF)
http://www.mhlw.go.jp/za/0730/d27/d27-01.pdf

労働基準法改正情報(厚生労働省)
http://www.mhlw.go.jp/topics/2008/12/tp1216-1.html